「システムを刷新したい」そう思っている経営者は多い。しかし次のステップに進めない理由も、ほぼ共通している。「社内にシステムを評価できる人間がいない」「ベンダーに言われたことが正しいのかどうか、判断できない」「何から手をつければいいのか、誰に聞けばいいのかわからない」特に中堅・中小企業では、CTOや社内エンジニアを持たないことが普通だ。システムのことはベンダー任せ、情シスは運用担当で精いっぱい——そういう組織が、「レガシーシステムから脱却したい」と思ったとき、どこから始めればいいのか。優秀なエンジニアがいないと、なぜ刷新が進まないのかレガシーシステムからの脱却が進まない会社に共通するのは、「現状を正確に把握している人間がいない」という問題だ。刷新を進めるには、現状のシステムが「何をしていて」「どこに問題があって」「どの順序で変えるべきか」を把握する必要がある。これなしに、ベンダーから提案を受けても、それが妥当かどうか評価できない。その結果として起きるのが、以下のパターンだ。ベンダーに言われるがまま高額な提案を受け入れた刷新したはずが、また別のベンダー依存になった途中で想定外のコストが発生して、プロジェクトが止まった刷新後も、誰もシステムを把握していない状態が続いているこれらはすべて、「現状把握なしに刷新を始めた」ことの結果だ。「道筋」があることと、「エンジニアがいること」は別の話レガシーシステムからの脱却に、優秀なエンジニアチームは必須条件ではない。必要なのは、正確な現状把握とそれに基づいた道筋だ。道筋があれば、ベンダーへの発注も、進捗管理も、意思決定も、適切にできる。「言われたことをそのまま受け入れる」ではなく、「根拠を持って判断する」ことができる。道筋なしに優秀なエンジニアを採用しても、彼らもまた現状把握から始めることになる。先に道筋をつくっておけば、採用も発注も、はるかに効率よく進む。道筋のつくり方:現行調査から始める3つのステップ優秀なエンジニアチームがなくても、レガシーシステムからの脱却の道筋をつくるには、以下の3ステップで進めるのが現実的だ。ステップ1:現行調査で「地図」をつくる今のシステムが何をしているか、どのデータがどこにあるか、どこに問題・リスクがあるか——これを第三者の目で体系的に調査し、文書化する。これが道筋の起点になる。ステップ2:地図をもとに「優先順位」を決める刷新はすべてを一度にやる必要はない。現状の地図があれば、リスクの高い部分、業務インパクトの大きい部分、技術的負債が深刻な部分を特定し、どこから手をつけるかを根拠を持って決められる。ステップ3:「評価できる状態」でベンダーと向き合う地図と優先順位があれば、ベンダーの提案を評価する軸ができる。「この提案は現状の問題を解決しているか」「このスコープは優先度と合っているか」——自社の言葉で問える状態になる。「まず何をすればいいか」への答えレガシーシステムからの脱却を考えているが、何から始めればいいかわからない——その答えは、現行調査だ。社内にエンジニアがいなくてもできる。大規模な投資をする前にやるべきことだ。そしてこれが、ベンダーに丸め込まれず、自社主導でシステム刷新を進めるための、唯一の起点になる。現行調査とは何か?システムを変えたいなら、まず「今」を知ることから始める →